風の音階

低気圧なのか、荒天。


井の頭線の運転室からの風切り音ははっきりと、この国の古来からの音階を奏でているように聞こえた。
迷わずiPhoneを出して記録。

高校の同級生に、アンデス育ちの日系二世がいた。まるで6歳のような澄んだ眼差しと声を持った彼女に僕が、「フォルクローレのケイナ(尺八的な縦笛)の音色がたまらなく好きなんだ」というと、エクアドルの織物を羽織った彼女が、「ケイナの音は風の音なの」と楽しげに答えた。
その瞬間に僕はキラリと、楽器の音色はきっと自然の一つ一つの側面を表したものなんだ、と感じた。

 

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